Ars Shimura アルスシムラ

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講師ブログ 「日日」 にちにち

裂が着物になる日

裁ち合わせ。

この日は、生徒さんも講師も一年のうちで最も緊張する日かもしれません。

 

 

織り上がった一反分の長さの裂。

お湯にくぐらせ糸目を整える伸子張りの工程を経て、いよいよ着物の形にするために、志村洋子先生の指導のもと自分の手で鋏を入れます。

 

 

 

 

 

 

 

糸を染め、機の上で日々向き合ってきた裂を「 裁つ」 という行為は、ひとりひとりにとって特別な瞬間です。

 

 

 

 

 

身頃・衽・袖・衿に分けられた一枚一枚の裂を衣桁にかけた時、初めて着物の形となって全体像を見ることができます。

生徒さんは完成図のひな形と全体のバランスを見ながら、裂の上下をほんの少しずらしてみたり、左右を替えてみたり…志村洋子先生のアドバイスを受け、講師とも意見を交わしながら、作品としての完成をめざします。

 

 

 

 

 

 

表現したかったテーマだけでなく、心の奥深くに眠っていた思い、織り上がるまでの過程で感じたさまざまなことが、そこに映されているように思います。

 

無事に裁ち合わせを終えた生徒さんは、着物の仮仕立てをします。

ここで仲間とすごす限られた時間もわずか、今までの道のりを確かめるようにひと針ひと針縫い合わせます。

 

 

 

 

 

 

修了制作・卒業制作展は、まもなく始まります。

 

講師一同、皆さまのご来場を心よりお待ちしております。

 

 

 

 

 

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