裂によせて~予科最終日
トンボたちが行きかい、いつの間にか空に浮かぶ雲は秋の気配です。
8月の終わり。予科は2021年度半期の締めくくりを迎えました。
2020年度後期からの通年コースの生徒さんは最後の仕上げ。裂を水に通すと、織り入れた無数の糸が1本1本色鮮やかになり、一年間、授業の度に積み重ねた試行錯誤が浮かび上がります。
合評の日。
共に過ごした仲間たちに見守られながら、一人一人裂を広げていきます。
裂は、心に残る幼いころの風景から今の自分自身まで、言葉だけでは伝わらない作り手の心模様や見てきた景色や空気を、色を通して伝えてくれます。
鑑賞者にとっては自分の知らない色との出会いがそこにあり、織り手その人を感じます。
日常の授業時にはなかなか一堂に集まることのできなかった仲間との話に花咲く中、プロのカメラマンによる作品を撮影も行いました。カメラを通して見るご自身の作品に弾む声から、嬉しさが伝わってきます。
生徒さんの笑い声に包まれて、仲間とともに手を動かし語り合える時間があることを改めて嬉しく感じる日々でした。
今回撮影した作品は、後日「私の裂」ページで紹介いたします。
ぜひご覧ください。