Ars Shimura アルスシムラ

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講師ブログ 「日日」 にちにち

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藍がもたらすもの

 

風薫る季節、嵯峨の緑は日に日に色濃くなり、様々な草花も顔を出して美しい糸が染められています。

 

 
 
入学式からひと月が過ぎ、新入生は染めの集中授業を終えて機織りの準備に入っています。
 
 
5月最初の授業日には、春の藍建てをしました。
 
 
新月に仕込み、満月の頃に藍が建つ。
自然の循環に沿いながらの藍建てをアルスシムラでは大事にしています。
 
藍建ては本科の一年生、二年生全員で取り組みます。
入学式を終えてすぐに、すくもに必要な灰汁を炊き出し始めます。
酒と石灰も準備します。
 
そして仕込み当日に、順番に藍甕(あいがめ)に入れていきます。
 
 
 

 

 

 
 
仕込みが終わると、毎日その日の当番を中心にみんなで藍の様子をみます。温度を測り、混ぜて、藍の顔色、匂いを確かめることで甕の中の日々の変化を感じ取り、記録します。藍は生き物なのでこまやかな対応が必要です。藍建てが初めての生徒も日々向きあう中で新たな発見があったり疑問が沸いてくるようです。
 
静かな甕を覗くと、藍、漆黒、紫、緑…さまざまな色が目に映り、無数の星を見ているかのようです。
 
 

 
 
 
 
藍がしっかり建つと、いよいよ初染めです。
 
生徒も私たちも気持ちが高まります。
 
 
藍で染めた糸は甕からあげて絞った瞬間緑色になり、よく空気に触れさせ水で洗うと鮮やかな青色が現れます。その変化は何度見ても魅せられます。初染めに立ち会った生徒はなおさらで「トルコブルー」「ターコイズブルー」、「地中海の色みたい」とみんな記憶の中の青と重ね合わせていました。
藍の色は、感情を揺さぶられ、時には涙が出てしまうと話す生徒も。
 
小さな種から芽を出し育った葉は、幾多の工程を経て青を生む。その色は力強く、包み込んでくれるような温かさも感じられ、
藍は今もなお人を魅了する色です。
 
 

 

 
 
厳しい夏の暑さがそこまで迫っていますが、
藍は涼やかに染まって、気持ちも軽くしてくれそうです。
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