「私が着る」を思い描いて
十月、からすうりが赤く色づく季節になりました。
アルスシムラでは、今、それぞれの修了制作・卒業制作にとりかかっています。
二階からきこえる機音は、いつもより少しさみしいですが、
一階の染め場や整経などの作業をする和室は、毎日熱気にあふれています。
染め場からは様々な染料の香りが漂い、色とりどりの糸が並びます。
(蘇芳)
(紅花)
桜や梅のやわらかいピンクと、ほのかに赤みのさしたグレー。
蘇芳の深紅、くさぎの空色、茜や紫根、紅花にくちなし。
あたたかみのある百日紅や栗の色。
着物の完成図を想像しながら、今この瞬間に出会った色に耳を澄まします。
和室では、染めた糸を木枠にあげ、機に経糸をかけるための”整経(せいけい)”や”経巻(たてまき)”の作業中。
集中する気持ちは糸にも伝わります。
二年生の中には、糸を括って色を染め分ける絣に挑戦する生徒さんもいます。
(上下共にくさぎ)
ひとりひとりが大切にあたためてきたテーマやイメージ。
本当に表現したいことは何か、何度も自問自答をくり返し、練り直し、
志村洋子先生を始め講師や時には仲間にも相談しながら、少しずつ力強く形になっていきます。
一本の白い糸がやがて着物となるまでの長い道のり、一日一日をつみ重ねていきます。
アルスシムラでは、ただいま生徒募集中です。
第一回締め切りは10月29日(月)となっております。
お申し込みはこちらのページをご覧ください。
みなさまのご応募をお待ちしております。