裁ち合わせ
寒さも厳しくなるころ、アルスシムラでは緊張感と晴れやかな笑顔が日々をつつみます。
修了制作と卒業制作にハサミを入れる『裁ちあわせ』。
一年の学びの締めくくりです。
植物を炊き出し、糸を染め、経糸を張り、日々機の上に響いてくる気配を感じとりながら織りあげる長い道のり。どの工程にも、一人一人の思いや願い、試行錯誤が詰まっています。
つくり手の想いのこもった織物を、志村ふくみ先生は「裂(きれ)」とよんで慈
その裂を裁つことは一つの儀式。
裁った裂を、生徒さん自身が衣桁にかけていきます。
思い描いてきた着物を少しでも良い作品にしようと、最後まで気の抜けない真剣なまなざし。その後ろで、皆が広がりつつある世界を見守っています。
裁ちあわせの儀式を経て、自らの手で縫い上げた着物のうちには、その人の魂が宿るようです。着物を縫い上げた表情は、嬉しさで少し上気して、こちらまで嬉しくなります。
裁つこと、縫うこと、纏うこと。そのどれもが、その人にとって心湧き立つ特別な時間です。
一年生にとっては初めての一枚。
この喜びの時間が、これからのものづくりの礎となりますように。
昼休み。生徒さんのご主人手作りのプリンに歓声と笑顔があふれました。和みのひと時。
残すところあとわずか。
アルスの機場からは、最後のひと踏ん張りの機音が響いています。
2/21(木)~2/24(日)の4日間、
例年とは会場が異なりますが、今年も力作揃いです。
皆さまのご来場を心よりお待ちいたしております。
