予科後期始まりました
どんぐりの実が落ち始め、アルスシムラの庭先では、かわいらしい梔子の実が赤く色づき始めています。
実りが嬉しい季節。日に日に空気が冷たくなる中、炊き出しをしている温かさやたちこめる匂いにほっこ
りしながら、作業が進んでいきます。
アルスシムラ予科では、半年ごとに新たにクラスが始まります。12名の生徒を迎え、後期クラスが始まり
ました。予科のクラスは、染めや織りに触れてみたい!という、年齢やお仕事、住む場所も北海道から九
州まで幅広くさまざまな方が来られています。そんな仲間と毎週末語り合い手を動かすことは、予科生に
とって日々のご自身の暮らしの中でとても大切な時間になっているようです。
今期授業最初の染めは、丁度調子が上がり良い色を見せてくれている「藍さん」。本科の生徒が建てて毎
日大切に見守っている藍甕に、一人一人が静かに糸を浸します。引き揚げて初めて出会う「緑」は、他の
染めでは得難い体験です。
臭木や刈安、この季節ならではの色をクラス皆で次々と染め上げていきます。熱気と匂いに包まれて、染
めるたび、色の美しさとその不思議に歓声が上がります。
こうして皆で染める時間の中で、私たちはとても大切なことを分かち合っているような気がします。
予科では週一日コースの方と週二日コースの方が一緒に機を並べて学んでいます。
週二日コースは、経糸にも季節の色を取りこみます。今回は矢車附子の実で、穏やかなベージュとシック
なグレーが染まりました。皆で染め上げた緯糸を織り込むことで、この経糸がどんな風に表情をかえて行
くのか楽しみです。
色と寄りそいながら、それぞれの旅がここから始まります。
アルスシムラ予科コースは、2020年度生徒を引き続き募集中です。
11月9日(土)の見学会以降も、ご相談に応じて見学日を設けますので、
お気軽にお問い合わせください。