2020年の授業が始まりました。
ここ数日、朝夕の風に秋の気配が深まるのを感じています。
8月19日の新月に仕込んだ今年初めての藍は順調に建ち、初染めも終えました。
開校から7年目を迎えた今年、アルスシムラは新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が出された
4月から6月までの3カ月間、休校しました。
4月は例年なら、新入生を迎える大事な時期です。
新しい生活に胸を膨らませて集まった生徒の皆さんにとっては、思いがけない新学期となりました。
休校中、生徒の皆さんは、志村宏先生の藍の畑の世話を手伝い、春の植物で糸染めの体験をしていました。
土に触り、手仕事をすることでざわめく心を落ち着かせていたという声を聞きました。
本科の授業は7月から始まり、1日の登校人数を例年の約半数に減らして、
月~水、木~土の2つのグループに分ける新たな体制で行っています。
これまで週4日間だった授業は週3日に。今年度の授業は2021年の6月まで続く予定です。
5月から導入したオンラインでの交流会や特別講義も、最初は手探りな状態でしたが、生徒の柔軟性に支えられつつ定期的に続けています。
志村ふくみ先生が新入生に送られた歓迎の挨拶に「ものは何も変わっていない」という言葉がありました。
草木を炊きだす香りに囲まれ、手にした絹糸が美しい色に染まるのを体験する生徒は、
日々そのことを実感しているのではないでしょうか。
今年は遠出するよりも、嵯峨の自然を眺め静かに過ごす機会が増えました。季節の移り変わりをより感じています。
今のこの時を、自分自身を見つめ直す良い機会ととらえ、制作に集中し充実した一年になることを願っています。
初染めの日、今年の藍姫さんを染めました。
今年もいい色が染まりますように。