Ars Shimura アルスシムラ

Ars Shimura アルスシムラ

Ars Shimura アルスシムラ

講師ブログ 「日日」 にちにち

一本の

 

 

本科1年生の2つ目の課題、「帯を織る」。

 

1枚の裂があらわすものは、道、光、時間、季節、等々、さまざまです。

あっという間に織り進んでしまうこともあれば、1本の糸の入れ方にも迷ってしまうこともある。
それでも、すべては1本ずつの積み重ね。そうしてそれぞれの作品が出来上がっていきます。

 

 

 

 

 

 

アルスシムラでは、織り上げた裂は、一度湯にとおし、干すことで、糊や汚れを落とし、織目を整えています。
これらの一連の作業をまとめて「伸子(しんし)」と呼んでいます。

伸子をすると、これまで毎日見つめてきたはずの裂に、改めて出会い直すような、新鮮な驚きが待っていることがしばしばあります。

 

 

 

 

 

 

 

帯の長さは、かえしを含めて約5m(13尺)です。
ところが、機を織っている時は、糸を巻き取りながら織るために、手元の30-40cmしか見えていません。
時々織り終えた部分を確認しながら織り進みますが、全体を一度に見られる機会は、織っている最中にはなかなかないのです。

加えて、濡らした裂は色がより濃くはっきり見えるため、それもまたこれまで見てきた裂とは違った印象を与えてくれます。
濡れている糸や裂の美しさを体感できるのは、染め織りをしているものならではの特権のひとつです。

 

 

 

 

 

 

1年生の帯制作が一段落したころ、【帯合評】を行います。

イメージや意図したとおりにできたこと、思わぬ効果のあったこと。
自作を披露しながら、経験を伝え、共有する。また、それに対して、講師から直接意見を聞くことができる。
自らの作品だけでなく、他の生徒の作品からも様々なことが学べる貴重な体験となっているようです。

 

 

 

 

 

 

講師ブログ一覧を見る