いつもと違う春
四月、春の陽ざしの中で鳥の声もにぎやかになりました。
庭では卒業生から贈られたミモザが満開です。
二月の新月に建てた「藍さん」も落ち着いた深みのある青に染まっています。
昨年から続くコロナ禍による非日常が日常となっていく中、季節は巡り、木々や小さな生きものたちは暦のとおりに日々を生きています。
私たちもまた、季節ごとに出会う植物の色を染め機に向かいます。
例年であれば卒業制作展を終え、桜の頃には自分たちで染め織った作品を着物に仕立て身にまとい、卒業式を迎えていました。
本科では秋から冬にかけて一年生は帯を織り上げ、二年生は経絣を経験し、今、修了・卒業制作の真最中です。
色と自分自身とより深く向き合い、制作に励みます。
ひとりひとりが心をこめて織り上げた作品。
六月に予定している卒業制作展で、皆さまにご覧いただけることを心待ちにしております。
アルスシムラ卒業制作展(本科・予科)
会期 2021年6月25日(金)~6月27日(日)
会場 京都府京都文化博物館 6階