若葉萌ゆ
穏やかに晴れたある日。
予科の授業で春草摘みに出かけました。
八重葎、ホトケノザ、中でもこの日は盛りのカラスノエンドウを籠いっぱいに積んで、
精気の衰えないうちに鍋に詰め込んで炊き出します。
草の染めはタイミング勝負。
刻々と変わる春の野のように、摘み採る時期、炊き出し染めるタイミングで色も刻々と変化します。青い匂いのたちこめる中、今、この時の色を映しとろうと奮闘した時間でした。
桜のピンクとグレーに梔子の黄色、春草に藍などが手元に揃い、真白な経糸に一色一色織り重なっていきます。いよいよ本格的に織りが始まります。