藍染め
梔子の花が香る五月、満月が近づく日。
皆に見守られながら「藍さん」の初染めをしました。
アルスシムラでは親しみを込めて藍のことを「藍さん」と呼んでいます。
神棚に祀る藍姫さまを、心をこめて染めます。
真っ白な絹糸が、漆黒の甕の中で静かに染まってゆきます。
甕から糸を引きあげた瞬間に現れる、あざやかなみどり色。
それはほんの一瞬で、写真にはおさまりません。
染められた糸は太陽の光にふれて、水で洗うと…
生徒さんからは、
「たくさん光をふくんで、輝くような色」
「エメラルドグリーンが洗うと沖合いの海の色に変わりました」
月の満ち欠けとともに、「藍さん」もゆっくり育ちます。
瑠璃紺、青藍、水縹、浅葱、露草色、甕覗
日本には、青をあらわす美しい色の名前が数多くあります。
今日はどんな青色に染まるのでしょう。