桃の節句
ほんわかあたたかな日が続き、吹く風に春の訪れを感じます。
工房では、毎年恒例のお雛様をお座敷に飾りました。
ちょうどお庭に咲いていた桃色の椿に、小さなお菓子を添えて。
見ているだけで、なんだか心が華やぎます。
このお雛様、新潟出身の私には見慣れないお顔立ちなのですが、
京都で江戸時代の中期頃に誕生した「享保雛(きょうほびな)」と呼ばれるお雛様です。
特徴的なのは面長なお顔のかたちに切れ長の目、豪華な衣裳です。
「お雛様の赤い色は茜かしら?」、「しっかり色が残っているわね」など、昔の染色に興味津々の私たち。
代々伝わってきたお雛様を前に、その時代の色に思いを馳せたひと時でした。
季節の節句に込められた日本人の想いを大切にしながら、
日々を過ごしていきたいですね。
hkr.